デザイン制作とは、色や形などの創意工夫を通じて「より良く見せたい」「分かりやすく伝えたい」といった目標や目的を達成するための作業です。そのため、僕がデザインを始めるときにまず考えるのは「この制作物の目標・目的は何か?」という点です。
- 車のパンフレットの場合
細かい操作方法の説明よりも、ターゲットの購買意欲を掻き立てる「より良く見せる(情緒的・魅力的)」デザインが最優先になります。 - 家電の取扱説明書の場合
おしゃれさや装飾性よりも、迷わず直感的に使える「分かりやすく伝える(機能的・明瞭)」デザインが求められます。
目的が曖昧なデザインは、何を訴求したいのか分からない無意味な広告になってしまいます。だからこそ、「目的を見極める力」はデザイナーにとって最も重要なスキルのひとつです。

不動産広告でユーザーが求める情報ランキング
1位 間取り
「3LDK」を探している人が「1LDK」で妥協することはまずありません。絶対に妥協できない条件だからこそ、真っ先に視線が集まります。それに何より、「間取り図を見ながら暮らしを妄想する楽しさ」は格別です(地図マニアな僕としても一番大切にしたい情報です)。
2位 写真
妄想した間取りを、よりリアルに具現化するための材料です。物件のセールスポイントとなる写真を厳選してレイアウトし、「実際に現地へ見に行きたい!」と期待感を膨らませてもらうことが目的なので、すべてを見せすぎる必要はありません。
3位 価格
ここはシビアな「現実」です。相場と比べて圧倒的にお値打ちなら大々的にアピールしますが、そうでなければあえて強調せずサラリと見せます(笑)。

不動産広告は、間取りや立地といった「正確な情報」と、住んでみたいと思わせる「魅力的なイメージ」の2つが掛け合わさって初めて効果を発揮します。物件ごとの強みに合わせてその黄金比を見極め、ターゲット層に最も刺さるデザインを模索しています。
最後に:「お笑いのボケ」と「デザインの仕掛け」の共通点
世の中には素晴らしいデザインが溢れていますが、僕はそれらを見るたび「このデザインの狙いや意図は何だろう?」と考える癖があります。
ふと思うのですが、お笑い芸人さんの「笑い」と僕たちの「デザイン」は、どこか似ている気がします。
芸人さんが見事なボケで笑わせられるのは、「何がフリ(正解の文脈)か」を完璧に理解しているからです。 デザインも同じで、業界のセオリーや伝えるべき基本要素をすべて把握しているからこそ、「えっ!」と目を引く仕掛けや、良い意味で期待を裏切るアプローチが生まれます。
笑いにたくさんの種類があるように、デザインにも無数のアプローチがあります。型を知り、目的を見据えながら、これからも人の心を動かすデザインを届けていきたいです。







