2020.06.03
「ため息」の由来
こんにちは。
緊急事態宣言が取り下げられたものの、まだクラスターが発生している地域があるなど油断を許さない状況ですね。この長い自粛期間、皆様いかがお過ごしでしょうか。本日はおうちで暇している方へ、インドア派から読書のおすすめです。
と言っても、本はBlookの本棚から拝借したものをご紹介いたします。
…余談ですが、Blook(ブルック)の本棚には漫画から小説、エッセイ、雑誌、図鑑まで実に多種多様な本が並んでいます。
もちろんお仕事の資料もたくさんあり、目的を持って本を探して読むこともありますが、休憩時間にサラッと読める本もたくさんあります。忙しい最中、アイスコーヒーを片手に読む1、2ページに、意外にたくさんのことを考えさせられることがあります。
今日はそんな1、2ページの話です。
読んだ本のタイトルは「日本の言葉の由来を愛おしむ/高橋こうじ著」。
タイトル通り、日本の言葉の由来を知ることでその言葉が「あぁ愛おしいなぁ〜」と思える本なのですが、今回はその中でも私が好きな「ため息」の由来についてです。
ちなみに「ため息」の意味を調べると…
“気苦労や失望などから、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな吐息。”
“引用元:goo辞書「溜め息」“
…という意味です。
私はもっぱら仕事後のビールを飲んで「ふぅ〜〜〜疲れた〜〜」とため息をつきますが、辞書にあるように失望してしまった時や美しいものを見たときにも確かにため息をつきます。
10代の頃には何かと悩みも多く、「はぁ」「ふぅ」とため息をつき、親に「ため息ばっかりついて暗いなぁ!」と叱られたこともよくありました。今思うとどうでもいい小さなことでしたが、その頃は毎日色んなことに悩んでいたように思います。それにしてもよくため息をついていたのは、もしかしたら親に気付いて欲しい思いもあったのかなぁと感じます。(思い出してみると恥ずかしいですね。笑)
さて、本題に戻りますが、そんな息を吐く行為のことを「ため息」と言いますが、著者の高橋さんはこの「ため息」に対しこんなことを述べています。
“「ため」は「溜める」の語幹であり、その意味は、何かが外に出ないように留めたり、貯蔵したりすることです。
中略
だから素直に見れば、「ため息」は「吐かずに留められている息」なのです。”“引用元:日本の言葉の由来を愛おしむー語源が伝える日本人の心ー”
とのこと。つまり、「ため息」は息を吐く行為にではなく、息が溜められている様子に対して生まれた言葉なのです。
ため息をついたことに目を向ければ「あの人ため息ばっかり…」「そんな深いため息ついてどうしたの?」と気になってしまいますが、息を溜める程の何かが手前にあったと考えるとため息をついている人への目線がガラッと変わってきます。
我慢してグッこらえた努力、
悲しさを飲み込んで耐えていた強さ、
緊張状態で息をすることすら忘れていた頑張り、
感動で息を飲み込んでいた心…
そんな時間から解放された瞬間=ため息を吐く瞬間に立ち会えたことはむしろ貴重で、その想いを汲めば、相手に優しさや労いが生まれると思うのです。
それはきっとため息以外でも同じで、ネガティブなイメージがある言動であっても、受け取る側にその人がなぜその言動に至ったかを想像することができれば、世界はとても柔らかくなるように思うのです。
と言うのも、現代社会では人の言動ひとつひとつに誹謗中傷が飛び交い、陰湿ないじめが横行しているために、そんな言動の手前を想像して受け止める柔らかさを失い、それに耐えられない人は命を落とす…という悲しいニュースが後を立ちません。
私の10代の頃のため息ではありませんが、言葉にすることもなくため息として出てきた「助けて」「しんどいよ」「気付いて」というため息に対し、その手前にある息もできないほどしんどい時間に気付いてあげることができれば、そんな悲しいニュースも減っていくように思うのです。
…ふぅ。
今、自然とため息が出ました。悲しいニュースを想って、息を溜め込んでいたようです(笑)
こんなふうに自分のため息に対してもちょっと想像を膨らますと面白いですね。
さて、アイスコーヒーを片手に1、2ページの休憩のつもりが随分休憩をしてしまいました。
てへ。
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